こんにちは「タケシくん」です。
今日は以前8年間務めた不動産会社の事を述べたいと思う。
8年の間に不動産会社は2社経験しました。
やった仕事は主に「新築マンション販売」「不動産売買仲介」
少々の「賃貸仲介」と「賃貸管理」です。
自分としては良く8年間持ちこたえたという気持ちと、「やっぱり営業には向いていないのか」とかという気持ちもあります。
不動産会社選びは重要です。会社の事業内要や体質的なものにも左右されます。
また、「地域性」や「景気」・「会社の規模」にも左右されますし。
こうしてみると、全てが自分次第というわけではありませんしね。
たとえ会社を辞めても実力さえあれば、不動産業界を渡り歩くこともできます。食えなくなる可能性も限りなく少ないでしょう。
不動産業界にいて為になったことは、「様々な人の人生を垣間見れた」ということ。もう一つは「チャンス追求の営業は続かないな」と思いましたね。
目次
1.不動産会社に入って良かったこと
2. 不動産会社に入って悪かったこと
3. これから不動産会社に入ろうと思う方へ
1.良かったこと
1 様々な人の人生を垣間見れたことです。
新築マンションを買う夫婦、中古の戸建てを買う夫婦など様々ですが、大半の人にとって家を買うということは人生で1度または2度なのではないでしょうか。
実際にあった例として、
私が初めて契約を獲得した老夫婦は60代なかばで仕事は定年退職され子育ても終えて親から引き継いだ古くなった実家からコンパクトなマンションに引っ越そうという方でした。
夫婦2人で生活していて自己資金も有り、現金一括で買うことのできるお客様でした。
私はそのご夫婦・お客様を「子育てを終えて、会社を定年まで勤めあげなおかつ家を買う現金まで残してある。素晴らしい理想的な人生だ」と思いましたね。
もう1つの例は40代半ばの男性、奥さんに逃げられこんなに広い家はいらないからということで査定しましたが、ローンの残債が多くて売却代金だけでは返済できない。がんじがらめになってしまいました。
もう身動きが取れないとわかっているのか、その男性は遠い目をしていましたね。希望の価格で売却できれば住宅ローンを返済できるという金額設定で売り出しましたが相場から1千万円近くも高い金額では売れるわけもありません。
1年近く専任媒介契約をしていましたが、本人も悟ったようで「今まで通り住宅ローンを返していく売りに出すのは辞める」という話になりました。
そののち私の勤めていた会社が支店閉鎖ということでなくなってしまい、結局私は会社を辞めることになりましたのでその後どうなったかわかりません。
その人はどうしているのか、今ローンを返しているのか終わったのかどうか。
その人の人生は住宅ローンのために身動きが取れなくなってしまった人生です。
この2つのことで家を買うことの素晴らしさと恐ろしさを学びました。
2 売ればラク何をしても良し
マンション販売でも、売買仲介でも売れば歩合給が入ってきます。
月によってバラバラですが、良い時には100万円ほどの歩合給が入ってきました。
稼ぐ人は月に200万円の歩合給が入ることもあります。まさに結果次第なのです。その月は遊んでても良し、喫茶店でくつろぐのも良し。スーパー銭湯にいったりもしていました。(これはダメですよ)
しかしそういう世界なのです。努力して手数料0円と努力しないで手数料約120万円。歩合給30万円。2000万円の物件1つを売主と買主からそれぞれ仲介すれば(両手仲介)それだけ変わってきます。
会社にとっては120万円を売り上げたということです。
120万円と0円では天と地の差です。
だから売買仲介0件と1件ではそこで働く従業員にとっては天と地の差なのです。
悪かったこと
1 だらだら残業
売ることができれば帰宅しても構わない場合もありますが、売ることができない月も当然あります。
そんな時には経営者にアピールしなければなりません。ポスティングしてきた。遅くまで電話営業した。場合によっては飛び込み営業といってなんの関係のない家にいきなり訪問したりすることもありました。
ポスティングはともかく電話営業や飛び込み営業には反対でしたね。会社の方も今の時代効果なしむしろ逆効果だと思っているのかもしれませんが。
そんなアホなことは置いといて、お客さんも普段仕事しているからやっぱり手が空くのは夜なんですよね。20時21時くらいにならないと話もできないし手続きの説明も進まない。
それならば日中はというとチラシ作成や資料作成や住宅ローンの銀行とのやり取り、物件の調査、契約書の作成など業務範囲は多岐にわたります。
1人ですべてやらなければならないトライアスロンです。
大手の不動産会社は分業制の所も多いでしょうが、分業制では契約の流れがわかりません。
2 仕事が積み上げられない。積上げても会社の利益になる
結局不動産の売買営業は「チャンスを追求する。しかも終わり無し」
釣りと一緒です。猟場を探し餌を撒き食いついてきた客を必死になって獲得する。しかも毎月毎月終わることのないルーティンワーク
毎月毎月厳しい環境に身をさらし、売上を継続してあげなければならない。1カ月くらいはタコ(売上無し)でも会社は多めに見てくれることもありますが3カ月も続けばクビ間違いなし。
賃貸仲介で新規獲得した時なんかは手数料だいたい7~10万円くらい入るのだから歩合給1万円では無く5年は最低住んでくれるとして5万円くらいくれてもいいと思うだけど。
まあ法律で手数料上限は決まっているのだけれども、そんなことでは賃貸なんてかったるくてやってられない。賃貸管理を大きくすれば毎月安定してお金は入ってくるのだから会社として賃貸管理を大きくするとともに賃貸営業の歩合も継続してくれればいいのにと思いますよ。
アパートの大家さんから新規物件を預ったときも私に入ってくるのは最初の手数料だけ。継続して売り上げを上げられないこのジレンマ。
そういうのが嫌になってしまったんだなあ。不動産業界は人口減少とパイの奪い合いに幻滅してしまいました。
そのことと支店閉鎖が伴い不動産業界から足を洗うことにしました。他人を押しのけても売り上げを上げること。精神的に強くないと生き残れない業界です。
これから不動産会社に入ろうと思う方へ
1 不動産賃貸管理が充実している会社に入るべし
不動産の花形は売買仲介です。仲介すれば手数料も高金額だし歩合もたくさん入るでしょう。贅沢できたりするし、今日はサボろうなてこともできます。
しかしそんなことは一時のこと。毎月そんな生活できません。
大物ばっかり釣り上げようと狙ってもそんなにうまくいくはずもない。長い目で見て継続できません。
基本は賃貸管理であれば毎月管理料はもらえます。細かい仕事で地味ですが繰り返し行えばやがて大きな手数料として雪だるま式に入ってきます。継続は力なりです。
2 地元・地域に根差した不動産屋
似ていますが場所は大切です。どこの漁場で勝負するかということです。長い間勤めることのできる人は場所を心得ています。まったく知らない土地で頑張ってもその地域に長くいる人には勝てません。
マンション販売などは大きな会社でやるのがいいでしょう。小さい会社で手伝いみたいにあちこち行かされたのでは売り子で終わりです。不動産の実力はついていきません。
やはり、貴方の生活している圏内で勤めるのがスムーズに入っていくコツです。
なるべく物件獲得から決済まで一通り流れが経験できるほうがいいでしょう。部分部分だけやっても本当の不動産のプロにはなれません。
3 本当の勤務時間を知っておきましょう
深夜に電話をかければわかります。営業時間外なら留守電になっているはずです。誰かが電話に出ればそれは営業時間内です。0時1時に電話に出る会社は避けておきましょう。
4 SNSを活用しましょう
会社に不満のある人は投稿します。社内の人のリアルな声が聞こえます。ここでしか知ることのできない内部情報がわかります。
5 過去の行政処分や会社役員の家族構成なども調べる
都道府県の宅建免許を担当する課で調べる事が可能です。
また同族会社ほどワンマン経営になりがちです。
若いうちに不動産業界へ挑戦をするのは決して悪いことではないと思います。世の中の厳しさやいろいろなお客さんと出会えます。
また他の買い物と違って不動産は特殊ですので自分が年を取ってから不動産で失敗するか確率が減ります。
若い時に勢いで家を買って現在身動きのできない人はいっぱいいます。
長い人生を思えば不動産業界で仕事をすることも決して無駄ではないと思います。
おしまい。